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庚申庵は、寛政12年(1800年)、松山の俳人栗田樗堂(くりたちょどう)が、名利を捨て、俳諧に専念するために建てた草庵です。
俳人の草庵にふさわしい質素なつくりで、柱は、8cm角に満たない原木の丸みを残した面皮柱(めんかわばしら)、屋根を支える梁や桁も最小限の木材で建てられました。
当時、付近に「古庚申」と呼ばれる祠があったことと、建てられた寛政12年の干支が「庚申」であったことから、『庚申庵』と呼ばれるようになりました。俳友たちとの交流を願って建てられたこの庵は、滋賀大津で芭蕉が暮らした『幻住庵(げんじゅうあん)』に倣って建てられており、庵の建物に限らず、その庭についても、藤や泉水などのひとつひとつが、芭蕉に倣って風雅を求めた樗堂の空間として、大切な意味を持っています。

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