NPO法人GCM庚申庵倶楽部は、松山における短詩形文学の伝統を象徴する歴史的遺産「庚申庵」の保護・保全にあたり、広く地域住民に対して、庚申庵の活用・調査・研究及び普及に関する事業を行い、その活動を通して、「人づくり・まちづくり」に貢献し、地域文化学習の振興による地域文化の高揚とネットワークづくりに寄与することを目指しています。
■ごあいさつ■(理事長 松井 忍)
樗堂が残したもの ~受け継ぐべきもの
庚申庵は痛みが激しく、いつ倒壊してもおかしくない状態にありました。私たちはこの庵のもつ落ち着き、閑寂に心ひかれ、市の大切な文化遺産として保護する必要性を痛感しました。その思いが松山市の英断により復元・活用の方針をして決定されたのです。庚申庵倶楽部は2003年2月、全国的にも珍しい、文化財保護にあたるNPO法人として発足、松山市と連携しながらの庚申庵活用の事業が手探りの状態で始まりました。
ちいさな粗末な草庵が、都市化の波に抗いながら大切に残されてきたのは、奇跡に近いことです。樗堂という人物への尊敬、俳諧に対する愛着という松山の人々の精神文化がこの草庵を守り、現在まで残してきました。地域文化の伝統を継承、育成するという大切な役割を積極的に果たしていきたいと思います。多くの方の関心が向けられることが、「庚申庵の活用と存続」につながります。一緒にNPOのメンバーとして活動しようという方が増えることを期待しています。
GCM庚申庵倶楽部会報紙『The KISEKI of GCM』(2003年7月~2005年12月)